
こんばんは、苫小牧市のありのみ行政書士事務所です。
以前、3回ほど口座開設について書いてきましたが、未だに「ありのみ行政書士事務所」としての口座は開設していない私です。
ただ、今回法人を設立して別人格なので、法人名義の口座をいくつか開設したのと、数名の外国籍経営者に頼まれて法人口座を開設したので、今日はここ最近の法人口座開設状況(ネットバンク編)を備忘録的に書いていきたいと思います。
今回口座開設にチャレンジした法人の属性です。
①株式会社ブライトスカイ…代表取締役は日本人(私)ですが、実質的支配者(大株主)はネパール人です。旅行業。
②A社…代表社員がネパール人(日本語堪能)、法人経営歴は20年ほど。食品製造業。
③C社…代表取締役がパキスタン人、日本語はそんなに上手じゃない、法人設立して1年。中古車輸出業。
④D社…代表取締役がパキスタン人、日本語は全然喋れない(日本人は英語喋れないよね~って感じで日本語喋る気があまり感じられない)、法人設立して半年。中古車輸出業。
⑤E社…代表取締役がアメリカ人、日本語は全然喋れない。もう一人の取締役は外国籍だけど、日本語堪能。法人設立して1年。食品製造業。
一応、5社とも海外送金予定があって、海外送金が出来る金融機関での口座開設希望です。
①の弊社については、法人設立して登記簿謄本が出来上がった直後に楽天銀行と住信SBI銀行で口座開設申し込み。
住信SBI銀行はアプリでの本人確認じゃなくて、郵送申請だったからか知らんけど、追加対応の依頼などもなく、速攻で否決で、申請書類が返却された。
楽天銀行は、本人確認で電話がかかってきますが、電話対応以外にも設立当初なのに事業の実態がわかるものを出せという。
事業の許認可も取れていないから何も実績がないし、事務所の賃貸借契約書ではダメ。
見積書でもいいとのことで、ネパールの取引予定先に作成してもらった見積書を提出したら口座開設出来た(見積書・契約書とかは英語でもいいと言ってくれた)。
楽天銀行はその後、無事にネパールへの海外送金も受付してくれた(色々と書類をFAXしたけれど)。
楽天銀行だけでも良かったけれど、三井住友銀行が最近売り出しているネット口座のTrunkがやたらとDMを送ってくるので、どんなものかと思って口座開設の申し込みをしてみたら、その後WEBでの面接があるという。
面接時間は大体2~30分ほどで、こちらは顔出しなのに、相手の銀行員は顔を出さないのがなんだか納得いかないけれど(笑)
事業内容、事業計画などを話してWEB面接が終わったあとに、連絡が来て、口座開設後1年以内に海外への送金予定があるなら、再度面接しないといけないと言われる(その面接の中でも、いいだけ海外の話はしたのですが…)。
1年以上経ったあとで海外送金するときに、再度面接いるのか?と聞いたら、面接は不要とのことだったので、
それなら、三井住友銀行で1年以内に海外送金はしないから、口座開設だけしてくださいと回答して口座開設してもらいました。面接の翌日には口座開設されていて、早かったですね。
ネット口座とは言え、さすがメガバンクなだけあって、オシャレなキャッシュカードも送られてきました。
そうこうしているうちに、実質的支配者(ネパール人)から、外国人個人はみんなゆうちょ銀行口座を使っていて、
ゆうちょ銀行間なら振込できるのに、ゆうちょ銀行以外の口座になったら振り込み方がわからなくなるから…という謎の理由で、ゆうちょ銀行の法人口座を作るようにお達しが出て(笑)、ゆうちょ銀行へ法人口座の申し込みに行ってきました。ちなみに、ゆうちょ銀行の法人口座は海外送金はできません。
ゆうちょ銀行は審査期間1か月ほどということでまだ結果は出ておりませんが、開業1年未満なら事業計画書の提出が必要です。
ネットで必要書類を調べてから口座開設に行ったのですが、「以前、口座開設のご案内したことありましたか?綺麗に書類が揃っているので…」と褒めてもらったので、無事に口座開設されることを祈りたい…。
②のA社からも楽天銀行の口座を開設してほしいとの依頼。ここは日本での事業歴も長いし、社長本人も日本語堪能なのでスムーズに口座開設は完了。
③のC社は、まずは住信SBI銀行を申し込み。スマホアプリでの本人確認だったので、口座開設は無事に完了した。
ただ、海外送金については、色々と求められた書類を提出したけれど否決…。
頼まれて楽天銀行も口座開設申し込みをしたけれど、本人確認の電話で本人が日本語上手じゃないこともあり否決。
その後、三井住友銀行も口座開設してほしいということだったので、WEB面接もあるし本人は日本語が上手じゃないので、やむを得ず私が口座責任者という形でWEB面接を受けたけれど否決。
PAYPAY銀行は海外送金出来ないけれどとりあえず申し込んでみたら、社長本人がPAYPAYを使っているからか、スムーズに口座開設できてちょっと驚き。PAYPAY銀行で海外送金するには、資金移動業者を挟む必要があります。
④のD社は、当初住信SBI銀行をアプリでの本人確認ではなく、書類申し込みにしたところ否決。
その後、アプリで本人確認した上で再度口座開設申し込みしたところ口座開設自体は出来たけど、追加で色々書類は求められました。
楽天銀行は、日本人従業員がいるので、日本人従業員を口座責任者にして申し込みをしたところ、口座開設自体は出来たけれど、海外送金は×。
三菱UFJ銀行は日本人従業員を口座責任者にして申し込みしても否決(しかも2回申し込んでる)。
北海道銀行は中古車に限らず古物商・海外送金がある時点で、日本人でも法人口座開設が難しいのに社長が日本語喋れない時点で申し込みの受付自体も受け付けられませんとのこと。
りそな銀行は営業エリアが札幌市・北広島市・石狩市なので、それ以外の市町村の口座開設受付は店頭のみ。店頭で申し込みしたけれど、否決。
③の会社といい、④の会社といい、口座開設が否決になっても、次から次へと新しく別の銀行での口座開設の申し込みを依頼してきて、たくましいと言えばたくましいのだけれど、逆にそういう対応が金融機関で口座開設を渋られている理由なのではないかとも思います…(最近はあまりにも口座開設否決になるから落ち着いてきましたけど…)。
せっかく口座開設できている金融機関があるのだから、その金融機関でしっかりと信用を重ねつつ、日本語の勉強もしてもらいたいものです…。
⑤のE社も楽天銀行での口座開設希望。
当初、アメリカ人社長を口座責任者にして申し込みしたけれど、日本語が話せないことを理由に口座開設否決。
ただ、もう一人の取締役が外国籍だけれど、日本語が話せるので、その人を口座責任者にして申し込みしてもらえれば再度審査しますとのこと。
ちなみに、1回目の申し込み時に送っている登記簿や印鑑証明書の原本は返却してくれないので、再度取得して申し込みしないといけません(笑)
もう一人の取締役を口座責任者にして審査は進んだのですが、社長がアメリカ人だからFATCAの自己宣誓の署名が必要です。
FATCA(Foreign Account Tax Compliance Act)とは、2010年に米国で成立した法律で、米国市民やグリーンカード保持者などの米国納税義務者が海外の金融口座を利用して税金を逃れることを防ぐことを目的としています。海外の金融機関は、米国人等が保有する口座情報を米国の税務当局(IRS)に報告する義務があります 。
FATCAの対象となるのは主に以下の人々です:
- 米国市民およびグリーンカード保持者:居住地に関係なく、全世界の所得を米国に申告する義務があります 。
- 特定の外国人:米国内に源泉所得がある場合や、一定額以上の資産を保有している場合に報告義務が生じることがあります。
米国は属人主義(国籍に基づく課税)を採用しており、米国人はどこに住んでいても米国に納税する義務があり、
FATCAは米国納税義務者の海外資産を透明化し、租税回避を防ぐための国際的な仕組みのため、法人自体が日本法人であっても、米国人等の実質的支配者がいる場合はFATCAの対象となります。
日本では、日米当局が協力してFATCAを円滑に実施するための声明を発表しています。日本の金融機関は、口座開設時や資産保有状況の確認時に、お客さまが米国人等に該当するかを確認し、該当する場合は同意のもとで口座情報をIRSに報告します 。
というわけで、アメリカ人社長の署名を提出して、無事に口座開設完了となりました。
まとめ
・住信SBI銀行での口座開設は郵送申し込みではなく、アプリでの本人確認で申し込み!
・楽天銀行での口座開設は日本語を話せる人を口座責任者にする!
・楽天銀行でキャッシュカードが必要なら有料(三井住友銀行とかPAYPAY銀行とかは審査通ったら勝手にキャッシュカード送ってくれる)
・アメリカ人のFATCA宣誓などはあるけれど、外国人が実質的支配者かどうかはあまり影響していない気がします。
・住信SBI銀行も楽天銀行も口座開設ができる=海外送金もできる、ではない。
・外国人・古物商・海外輸出の会社はここ最近だとメガバンクはもちろん、地方銀行でも門前払いで、ほぼほぼ難しい気がします。10年くらい前までなら口座開設出来ていたのですが、正しく口座を使わなかった先人たちのしわ寄せがここ最近事業を始めた人のところにも影響が出ててちょっと気の毒ではある。海外送金がなければ、口座開設できる可能性はありますが、輸出入をしている人にしてみれば、海外送金できなかったらそもそも仕事にならないですし…(信用金庫やゆうちょ銀行は海外送金×)。
・最初から日本人協力者が代表取締役となって法人を作っている場合だとメガバンクでも口座が開けているケースを見たことがありますが、1年後くらいに外国人が代表取締役に変わって、口座も引き継がれて…というのは本来銀行側は想定していないと思いますし、そのスキームが流行ると困りますね…。
・資金移動業者を挟めば海外送金も出来るかもしれないので、資金移動業者を活用することがあれば、それはまたブログなどで情報共有しようと思います。
昔、イ〇ン銀行の窓口で働いていた時に、クレーマーに「お前の態度はメガバンクみてーだな!」と言われたことがありますが、メガバンクみたいな上質な接客態度だなという誉め言葉ということでよろしいでしょうか?(笑)
