定款は自由だー!

こんばんは。苫小牧市のありのみ行政書士事務所です。

3日間に渡って定款に関することを書いてきて、

定款の内容は相続のときに大事になることもあるから、しっかり検討するようにと書いてきましたが、

絶対的記載事項が書いてあって、法的に問題ない内容であれば意外と自由だったりします。

2023年に話題になったのが、イオン株式会社の定款変更です。

定款・株式取扱規則 | 株式・債券情報 – イオン株式会社

(基本理念)
第2条 お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。
イオンは小売業が平和産業であり、人間産業であり、地域産業であると信じ、その使命を果たす企業集団として永続するために、お客さまを原点に絶えず革新し続けてゆきます。
平和は、戦争や災害からの復興にしても、平穏な生活の維持・増進にしても、能動的で意識的な関与なしにはもたらされません。
こうした思いの原点には、岡田卓也名誉会長相談役の実体験があります。戦後、チラシを手にして店頭に並ばれたお客さまが「戦争が本当に終わったんだな」と涙された姿を見て、小売業の存在こそが平和の象徴であると実感したと言います。そこから、小売業が成り立つためには平和が大前提であり、小売業は平和の維持に貢献していかねばならないと決意したのです。
平和とは、戦争や暴力がないというだけに止まりません。心の安寧に加えて、戦争や災害さらにはさまざまな不幸から立ち上がり、乗り越える力をも含むものです。21世紀になっても戦争は止まず、大震災や異常気象などの自然災害が頻発しています。今こそ平和の価値があらためて問い直されています。平和はそのままで与えられるものではありません。平和は、わたしたちが能動的で意識的に関与することによってはじめて保たれるのです。
イオンは平和に反することは決して行いません。また、そうした行為や活動には与しません。イオンが目指すのは積極的な平和への貢献です。
人間に関しては、一人ひとりを信じ、尊重することで、その人の能力や思いが花開き、さらに人とつながることによって、より幸福な状態が生じます。
岡田名誉会長は、小売業を「人間くさい産業」と呼びました。それは「人の道」を重んじること、すなわち人間を尊重することです。個性、尊厳、自律性の尊重は言うまでもありません。それに加えて、人間が持つ可能性を信じ、仕事や学びを通じて成長し、よりよく人間的になることを後押しすることでもあります。人間はひとりで成長することは困難です。「人とのつながり」のなかで、他者とともによりよく人間的になっていくのです。それは幸福の実現であるとともに、人の間にある規範を求めるものでもあります。小売業は人々の幸福と規範の産業なのです。
地域もまた、地域ごとの多様性と自立性に敬意を払い、その特有のニーズに応え、手入れをし続けることによってはじめて豊かなコミュニティが 実 現します。
小売業はもともと地域に根ざした産業であり、地域とともに繁栄するものです。地域やそこにおけるコミュニティの豊かさを守っていくためには、不断に手入れを怠らないことが必要です。それは、小売業の重要な使命のひとつなのです。これからはますます、地域やコミュニティの重要性が増していきます。イオンは、地域に特有の産品を発展させ、地域の人々の豊かな暮らしを促進し、地域やコミュニティの繁栄に能動的に貢献してゆきます。
イオンが目指しているのは、こうした平和への積極的な関与・人間の幸福と規範の下支え・地域の繁栄への貢献です。それが「お客さまを原点に」、すなわちお客さまを第一にするということの重要な基盤なのです。
お客さまを第一にするということは、自分第一ではない、つまり自分たちの都合で考え、動くのではないということです。その反対に、常にお客さまを第一に考え、誠実に行動すること、これがイオンの基本です。これを自分を映す鏡とし、すべてのイオンピープルのあらゆる判断と行動の基準とします。ややもすれば自社や自分にとって有利なこと、都合が良いことに流されがちになりますが、そうした傾向を断固否定し、乗り越えてゆくことが求められています。
そのためには、イオンは革新し続ける企業集団でなければなりません。
企業にとって、成長し存続し続けることは最重要の課題です。しかし、革新し続けることなくしては、企業は衰退し滅亡してしまいます。
たとえ現状を続けることが安定的で楽なことであっても、それに安住せず、常に自らを変えていかなければなりません。そして、革新し続けるためには、お客さまの変化やさまざまな社会の変化について、常に先を見る先見性や洞察力が必要です。イオンピープルの一人ひとりは、お客さまの生活や社会が求めるものの進化と変化を先取りしてゆく所存です。
家業から企業へ、そして産業へとイオンは変貌してきました。もともとダイナミックな企業文化を備えているのです。何よりも恐れているのは、ますます激しくなっていく変化の中で、求められる革新や企業家精神を失い、大企業に特有の停滞に陥っていくことです。変化することのない、現状のままが続くような静的な均衡は続きません。より新しい革新に取って代わられないためには、イオンが最大かつ最先端の革新者であり続けるしかありません。それは創業の精神を保持することで常に刷新し続け、時代を先取りした組織であるという覚悟なのです。
イオンは、以上のことの浸透と実践を通じて、平和、人間、地域の維持と発展に貢献しうると信じて、行動してゆきます。

長い!!長すぎるよ…。第2条だけで2,000文字超…。私の普段のブログが1,000文字くらいなので、第2条だけでも私の日々のブログの2倍…。

株主総会の提案に出た時はポエム定款と話題になりました…。

しかも、株主からの提案ではなく、会社提案の議題(ちゃんと会社顧問の弁護士?司法書士?の監修済みだそうです)です。

株主総会の議決権行使の結果は9割以上の方が賛成で可決(定款変更なので2/3以上の賛成が必要な特別決議の要件もきちんと記載している)。

第98期定時株主総会の議決権行使結果について

まぁ、イオンの場合、定款変更に興味のない個人株主も多いんでしょうけど…。

最近は、丸井グループも定款に企業理念載せてますし、日清食品も短いですが載せていて、企業理念を定款に入れる会社が増えているようです。

企業理念は登記簿に登記される内容ではないとは言え、定款は会社のルールブック、もとい会社の憲法であると考えたら、定款に載せて、会社の考えを従業員やステークホルダーに伝える使い方もできるんだなぁ、ということで。

さすがに、イオンの企業理念は長すぎると思いますが(笑)、企業理念を定款に入れたい会社さん、是非ご相談ください(^^)/

イオンの定款の中にも名前が出てくる名誉会長。いつまでも長生きしてほしいと思っています。

個人的には名誉会長より偉いと思っている岡田千鶴子さん。いつか、NHKの朝の連ドラとかで千鶴子さんをドラマにしてほしい(切実)。

投稿者について

ありのみ行政書士事務所

令和6年5月1日に登録された北海道苫小牧市の行政書士です。
あなたのナシをアリ!に変えていきたい~というダサいキャッチコピーとともに、事業者様の記帳代行や補助金申請、許認可等に対応しています。
ホームページ初心者ですが、よろしくお願いいたします。

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