こんばんは。苫小牧市のありのみ行政書士事務所です。
昨日のブログでは、株式会社の定款について書いたので、今日は合同会社の定款について。
合同会社や株式会社など会社形態によって、定款に記載する内容が異なってきます。
株式会社の場合は作成した定款を公証役場に提出し、認証の手続きが必要で、認証手数料で3万から5万円程度かかります。
合同会社の定款は公証役場での認証が不要で認証費用もかからないですし、合同会社には株式の概念がないため、株式会社のような株主構成や株式譲渡制限などの記載事項が少ない分ですが、合同会社の定款にも絶対的記載事項はありますので、法的要件を満たす必要はあります。
合同会社の定款の絶対的記載事項は
- 事業目的
- 会社名
- 本店の所在地
- 社員(出資者)の氏名および住所
- 社員(出資者)を有限責任社員とする旨
- 社員の出資目的およびその価額(評価の標準)
なんですが、個人的には社員の出資目的というのが謎です…。
株式会社の定款では発起人の出資目的は聞かれないのに…。
株式会社にしても合同会社にしても営利を追求するため、出資するんじゃないの…?
法務省が公開している合同会社設立登記申請書 のひな形の中でも、
(社員の氏名、住所、出資及び責任)
第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額並びに責任は次のとおりである。
1.金300万円 ○県○市○町○番○号 有限責任社員○○商事株式会社
2.金200万円 ○県○市○町○番○号 有限責任社員○○○○
としか記載がなく、あとは事業目的くらいなんですよね…。
出資目的というより、出資物が現金なのか現物出資なのかどうかを書くってこと( ゚Д゚)ハァ?
日本語ムズカシイヨ…
合同会社の相対的記載事項は
- 持分の譲渡の要件
- 業務を執行する社員(業務執行社員)の定め
- 代表社員の定め
- 存続期間または解散の事由
- 社員の加入および退社の事由
などがありますが、利益配当や財産分配、社員の相続などのルールも必要に応じて記載しておくことも大切なので、株式会社もそうだけれど、絶対的記載事項より重要な相対的記載事項…。
合同会社の任意的記載事項は
- 業務執行社員の人数
- 業務執行社員の報酬
- 事業年度
などです。
事業年度は法人設立したら税務署に届け出る事項なのに、何故か任意事項…。後から変えれるけど、何故任意なのか不思議…。
合同会社は株式会社のように年一回の定時総会は必須ではないし、決算公告も必要ないので、定款に記載しなくてもOKです。
合同会社は株式会社より定款作成が簡単そうに見えるけれど、合同会社は一人で出資する場合、定款に相続に関する定めがないと、死亡により社員は退社し(会社法607条)、社員がいなくなったことにより法人が解散してしまいますので(会社法641条)、
株式会社とは異なる点もありますので、注意が必要です。
定款認証が不要とは言え、定款作成は信頼できる行政書士に依頼するのが良いと思います(´-ω-`)