
こんばんは。苫小牧市のありのみ行政書士事務所です。
先日、お盆休みに本州から友人が遊びに来てくれました。今は北海道も暑いので、お盆時期に来ても全然避暑ではないのですが…。
友人に北海道で何をしたいか聞いたところ、ジップラインとラフティングと乗馬とラーメンということだったので、それが全部叶えられそうな日高地方に行ってまいりました。
1日目 新千歳空港→新冠町「らーめん喜一郎」→新冠町「ディマシオ美術館」→新冠町「ホロシリ乗馬クラブ」→新冠町「サラブレッドロード新冠」(ピーマンソフト)→日高町(海日高)「門別競馬場」→日高町「とねっこの湯」
2日目 日高町(山日高)「北海道アウトドアアドベンチャーズ」で午前中ジップライン、午後ラフティング→日高町「樹海ロードひだか」→日高町「ひだか高原荘」
さて、新冠町のディマシオ美術館と日高町の北海道アウトドアアドベンチャーズには共通点があるのですが、何かわかりますでしょうか。
北海道日高新冠の観光地ディマシオ美術館|ルネラリック作品も展示
共通点は廃校の跡地を使っているということです。
ディマシオ美術館は2008年に廃校となった旧・太陽小学校を再利用し、2010年に美術館としてオープンしています。
北海道アウトドアアドベンチャーズ(HOA)は、1998年3月に廃校となった千栄小学校の跡を受け継いでベースとしています。
少子化に伴って廃校になった学校建物の活用事例は色々ありますね。
最近だと当別町の2016年3月に閉校した当別町立弁華別小学校跡地をウィスキーの蒸留場にする活動も話題です。
実は先日弊所でも某学校跡地の利活用のプロポーザルの支援をさせていただきました。
プロポーザル方式というのは、自治体や発注者が、最も適した提案をした企業や設計者を選定する方法です。
「技術的に高度」もしくは「専門的な技術が要求される」業務の発注に使われることが多く、業務を受注したい事業者は一定のテーマに基づいて金額や方針を提案し、発注者は提案された内容を総合的に評価(点数付けたりする)して受注者を決定します。内容が重視されることから「企画競争」とも呼ばれています。
苫小牧市役所も今現在だとこんなプロポーザルをやっています。
苫小牧市勢要覧作成委託業務に係る公募型プロポーザルの実施について|北海道苫小牧市
入札は主に金額が重視されますが、プロポーザル方式は提案内容を重視するので、発注者にとっても、粗悪な業者が安い価格で入札することを避けられるというメリットがあります。
また、プロポーザル方式は選定委員会において審査がなされますが、審査は項目ごとに点数が付けられ、評価が高い提案内容が次の審査に進めます。
審査基準の項目は募集要項の資料で開示されていることが多いため、提案者もその内容を理解したうえで提案書を提出できますし、プロポーザル方式が適切に運営されている場合、客観的かつ公平に判断を行うことが可能です。
とはいえ、この「企画提案書」の作成というのが、
A4版任意様式、縦・横いずれも可、A3折り込み可、片面刷り、10ページ程度
など、プロポーザルごとに要件がありますし、
企画提案書の作成にあたっては、
・ 仕様書に定める本業務の目的及び業務内容に沿った提案書とすること。
・ 本市の現状等を的確に把握し、適切かつ有益な提案とすること。
・ 各調査業務のほか、仕様書に定める庁内検討会議の業務スケジュールを具体的に示すこと。
・ その他に、本事業の関連する企画や内容を充実するアイデア等があれば、自由に提案すること。
…などの指定される内容を盛り込む必要があります。
A4 1ページにどれだけの情報(写真やグラフなど)を載せて、プレゼンするかは提案者次第なところもあり、それが腕の見せ所でもあり、逆に決まっていないからこそ他社がどう出てくるか不透明な怖さがあるというのが、一般的な許認可のように書式や要件がきちんと決まっている仕事とは違って大変でした。
プロポーザル事業によってスケジュール感は異なりますが、今回のスケジュールとしては
2025年1月~2月 プロポーザル事業の提案募集(不明点や確認したいことなどがあれば期間中に質問をしますが、質問した内容はホームページなどで公表されます。色んな市町村のプロポーザルの質問書を読んでいたのですが、役場の人って「お見込みのとおりです」って言葉をよく使うな~と思いました。民間企業ではあまり聞かないような気がします。)
2025年3月下旬 役場の偉い人向けにプレゼン(そして何故かお客さまではなく、私がプレゼンすることになり、思わず笑ってしまう)→事業候補者決定
2025年4月上旬 住民説明会(またしても何故かプレゼンさせられる私)
その後、ちょこちょこと打ち合わせを挟み、8月に議会での議決を経て、最終的に学校跡地を取得という流れでした。
某町ではプロポーザルの事業候補者になったのに、議会で否決された事例もありますので、議会で議決されるまで気が抜けません(なので、私も8月までは未公開でした)。
役場としては使われていない学校跡地というのは負の財産なので、安価で手放したいというところもあり、土地建物併せても、ちょっとしたお金で購入できるのですが、登録免許税が不動産の購入金額より高くてビビりました…。しかも、現金納付ではなく、印紙納付w
今回支援したお客さまについては、今後補助金を活用して事業を進めていきたいようですので、
本格的に学校跡地を利活用するのは来年以降というロングランな事業ですが、
お客さまの事業に企画段階から伴走できるので、面白みのある仕事だなーと思いました!
ちなみに、プロポーズは「提案する、計画する、提議する」という動詞、
プロポーザルは「提案書、企画案、提案」という名詞で語源は一緒です。