
こんばんは、苫小牧市のありのみ行政書士事務所です。
今日、8月15日は終戦記念日ですね。戦後80年、同じ過ちを二度と繰り返してはならないと思います。
先日、「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金」の代理申請という、若干レア?なご依頼を受けました。
「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金」の支給について|厚生労働省
私も依頼されるまで聞いたことがなく、初めて調べました。
厚生労働省管轄なので、社労士業務じゃないかどうかも調べてから受任しました(笑)
特別弔慰金の趣旨としては、「今日の日本の平和と繁栄の礎となった戦没者等の尊い犠牲に思いをいたし、国として改めて弔慰の意を表すため、戦没者等の遺族に支給するもの」だそうですが、
対象となる戦没者というのは陸軍や海軍に所属していた軍人で、戦死したことが要件なので、軍人ではない方が戦死した場合は対象外です。
5年に1回のタイミングで申し込みを受け付けており、私が知らなかっただけで今回が十二回目です。
令和7年4月1日(基準日)時点で、「恩給法による公務扶助料」や「戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金」等を受ける方(戦没者等の妻や父母等)がいない場合に、次の順番による先順位のご遺族一人に支給します。
戦没者等の死亡当時のご遺族で
1.令和7年4月1日までに戦傷病者戦没者遺族等援護法による弔慰金の受給権を取得した方
2.戦没者等の子
3.戦没者等の(1)父母、(2)孫、(3)祖父母、(4)兄弟姉妹
※戦没者等の死亡当時、生計関係を有している等の要件を満たしているかどうかにより、順番が入れ替わります。
4.上記1.から3.以外の戦没者等の三親等内の親族(甥、姪等)
※戦没者等の死亡時まで引き続き1年以上の生計関係を有していた方に限ります。
対象となる遺族が複数いる場合(兄弟姉妹など)は、その中の一人が代表して申請し、代表して受け取り、対象者間で分割をします。
昔の人は兄弟姉妹が多い人もいますし、兄弟姉妹の仲が良いとも限りませんからややこしい人もいそうです。。
支給金額は額面27万5千円で(前回より5千円アップしている)、5年償還の記名国債(無利子)です。
https://sl.bing.net/beZVvUfnQVo
↑第11回の国債をもらった人のブログ画像より。
紙の国債なので、知らない人が見たら間違えて捨ててしまう可能性がありそうな…。
申請期間は令和7年4月1日から令和10年3月31日までで、請求期間を過ぎると第十二回特別弔慰金を受けることができなくなりますので、ご注意ください。
申請先は申請者の住んでいる市町村役場で、役場の方で取りまとめて都道府県庁に送り、審査をします。
必要書類については、前回申請した方かどうかで必要書類が異なります。
今回ご依頼いただいた方は今まで申請していた方が亡くなられて、順番が回ってきたということで初申請でしたので、戸籍の取得から。
戸籍を取りに2か所の役場に行きましたが(苫小牧市ではないです)、どちらの窓口の担当者さんも
「遡ったらこういった戸籍も出せるけれど、これも必要ですか?」とか
「戸籍のなんの情報が知りたいですか?」と聞いてくれて、とってもスムーズでした。
(「戸籍のなんの情報が知りたいですか?」⇒親族が戦死しているはずなので、その情報を探しています。と伝えたら、戸籍を私に渡す前に目を通して、ここにこういう記載がありますよ、と教えてくれてありがたかったです。)
戦没者等遺族というのも高齢化していますので、小規模な役場だと頻繁に受理するものではないと思います。
今回対応してくれた役場の方も初めて申請を受けるので…と言って、振興局に色々問い合わせてくれました。
申請書に、戦没者の方が陸軍なのか海軍なのか、軍属か準軍属か、生計関係にあったかなどを記載する欄がありますが、わかる限りの内容でいいそうです。
余談ですが、申請書は戦没者の死没日の選択肢欄に「昭和・平成・令和」とあるし、請求者の生年月日欄にも令和の記載があり、なんだか無駄に混乱しそうな申請書になっています。
また、申請してから結果が出るまでに約1年かかりますので、私も申請書を出して今は結果待ちの状態です。結果が出るのは来年の2月か3月頃らしいので、申請したことを忘れそうです。
戦没者遺族も高齢化していますし、支給方法が国債で良いのか、他に弔意を示す方法はないのかなど、様々な課題のある制度ですが、
何はともあれ悲惨な戦争が未来永劫繰り返されない平和な日本であって欲しいと思うのでした。
私を含め、戦争を知らない世代の方が増えてきたと思いますので、戦争の悲惨、原爆の悲惨を学ばないといけないですね。